農家の嫁として生きる | 嫁いで3年間農業に触れなかった理由 | みかんのみっちゃん農園 その4

みかんのみっちゃん農園では、レモンも栽培しています。この畑のメインとして栽培されているレスボンレモンは、極寒性に優れた品種です。1月に収穫する畑なので、今はもう実はない状況です。

知世さんはもともとは兵庫県出身。それまで和歌山県には2～3回しか訪れたことがありませんでした。小澤さんと出会ったのは大阪。当時小澤さんはまだサラリーマンでした。そこから、元々みかんのお客さんだった知世さんは、3年くらい小澤さんのみかんを買っていました。その時からみかんは美味しかったです。知世さんは一人暮らしをしていましたが、食べきれないくらいの量のみかんがいっぱい送られてきていました。頼んでいなくても、通常の倍くらいの量のみかんが送られてきていました。

抵抗はないわけではありませんでしたが、周囲に相談をすると反対する人もいました。相談した相手が農家の娘さんでしたが、農家の現実を知っているからこそ「やめときな」と言われました。しかし知世さんは農家の現実を知らなかったため、当時はあまりピンときませんでした。嫁いでから徐々にわかってくるようになりました。知世さんは大学を卒業してからは、大阪や千葉で働いていました。電車に不便のないところに住んでいたため、車がないと生活できないところにやってきて最初は非常に苦労しました。

移住当初、和歌山に知り合いは小澤さん以外いなかった知世さん。小澤さんの友人の奥さんを紹介してもらったり、地元の産直市場とか色々回ったり、その地元で採れた野菜とか色々見て食べて楽しんだりして、慣れていきました。

移住してすぐに農家の仕事を始めたわけではありませんでした。一旦ちょっと外に出てみたいという思いもあり、知世さんは地元のメーカーで3年間、貿易事務として働きました。嫁いですぐに農家の仕事をすると、家しか繋がりがなくなるかもしれないと少し思ってしまいました。航空業界でしか働いたことがなっかたため、3年間メーカーで様々なことを経験しました。

SNSは、最初は小澤さんメインでしていました。しかし徐々に知世さんに移行するようになり、今は二人で話し合って色々していますが、運用は知世さんが行います。小澤さんの発信の中には農家しか知らない専門用語がたくさんあり、それでは一般のお客さんはわからないのではと、知世さんがわかりやすい言葉に文章を直すようになりました。小澤さんはそれに対して文句をいうことはなく、優しかったです。

現在は、メーカーの仕事は辞めて農家を手伝っている知世さん。実際はやっぱり、大変でした。どうしても「みかんは収穫の時しか大変じゃないんでしょう？」と見られがちですが、収穫以外にも剪定、肥料、水やりなどすることは山ほどあります。知世さんがメインで農業に入るようになったのは昨年の夏からで、現在は半年ちょっと。まだひよっこです。

味来に嫁ぐ方に関しては、やはり住むのとたまに来るのは全然違うと思うので、ここに嫁ぐという風に考えているのであれば、1週間、1ヶ月とか徐々に期間を長くして、そこに本当に住んだ時のイメージをしてから来た方がいいと思います。住めば都だと思うので、夫婦で協力して一緒に楽しく生活してもらえたらなと思います。

最後にどうしても武井さんが知世さんにファッションについてお聞きしたかったそうです。初めはファッションに興味はありましたが、農家の服をどこで買えばいいのか分からず、農業するときの武井さんの綺麗な恰好を見て、知世さんもやっぱり見た目から気合を入れようと思いました。最初は本当になんでもいいやと思っていましたが、やはり自分の好きな服を着たいなと思い、ワークマンやしまむらなど安いところではありますが、自分の気に入ったものを買うようにしています。「よし！これ着て頑張るぞ！」みたいな感じで楽しまないといけないですよ。